学会ニュースNO.117 にて予告いたしました通り、令和6 年度日本庭園学会関西大会を下記の要領で開催いたします。現地検討会では、今春に修復・整備が行われた名勝仁和寺御所庭園(遼廓亭の庭園)・祇園甲部歌舞練場の庭園・建仁寺西来院庭園を訪れ、近代における社寺の保存修復の取り組みや京都・祇園の花街文化について検討します。研究発表会では6件の研究発表が行われます。いずれも庭園学における重要な課題について論じられております。皆様の参加をお待ちしております。
参加に当たっては準備の都合上、期日までの参加申し込みにご協力お願いします。また、当日の天候・交通事情等によりプログラムを変更することがありますことを予めご了承ください。
【1 日目】令和 6 年 11 月 16 日(土) 現地検討会 10:00 〜 17:00
(午前の部)
10:00 〜12:00
名勝仁和寺御所庭園と遼廓亭の特別参観
集合場所:仁和寺二王門(京都市右京区御室)
集合時間:09:45(受付開始09:30)
アクセス:西日本J R バス「御室仁和寺」下車すぐ。もしくは、J R 嵯峨野線太秦経由京福電鉄「御室仁和寺駅」下車徒歩約5分
仁和寺境内の参観(五重塔〜金堂〜名勝御室桜)及び名勝仁和寺御所庭園と遼郭亭特別参観
【講師】
日向進氏(京都工芸繊維大学名誉教授)
仲隆裕(京都芸術大学歴史遺産学科教授)
*午後会場への移動及び昼食は各自でお願いいたします。
(午後の部)
14:30 〜17:00
祇園花街芸術資料館と祇園甲部歌舞練場庭園の特別見学、建仁寺塔頭西来院庭園見学
集合場所:建仁寺北門(京都市東山区祇園町南側)
集合時間:14:15(受付開始14:00)
アクセス:京阪本線「祇園四条駅」下車徒歩約10 分(四条通から花見小路を南に、突き当たりの門が建仁寺北門)
祇園花街芸術資料館と祇園甲部歌舞練場庭園見学
【講師】
今井直久氏(株式会社植藤造園)
建仁寺塔頭西来院庭園見学
【講師】
中根行宏氏(株式会社中根庭園研究所)
【2 日目】令和 6 年 11 月 17 日(日) 講演会及び研究発表会 10:00 〜 17:00
会 場:京都テルサ西館3階 第2会議室(京都市南区東九条下殿田町 70 番地/ 新町通九条下る)
アクセス:近鉄「東寺駅」下車、東へ徒歩約5 分。市営地下鉄「九条駅」下車、西へ徒歩約5分。JR「京都駅」下車、八条口より南へ徒歩15 分。
(午前の部)
09:45 ~ 受付開始
10:00 ~ 10:50 講演1 名勝仁和寺御所庭園の保存活用計画と整備事業
【講師】吉村龍二氏(株式会社環境事業計画研究所所長)
11:00 ~ 11:50 講演2 祇園甲部歌舞練場庭園の発掘調査
【講師】杉本宏氏(京都芸術大学客員教授)
11:50 休憩・各自昼食・学会理事は理事会
13:30 ~ 16:10 研究発表会開始
13:40 ~ 14:00 発表1
14:00 ~ 14:20 発表2
14:20 ~ 14:40 発表3
14:40 ~ 15:00 休憩
15:00 ~ 15:20 発表4
15:20 ~ 15:40 発表5
15:40 ~ 16:00 発表6
16:15 閉会
参加費
【1 日目】
学会員:2,000 円、非学会員:3,000 円、学 生:無料
*資料代を含む。2 日間共通。
*入園・特別参観料は別途、午前の部 1,800 円、
午後の部 2,000 円 をそれぞれご用意ください。
【2 日目】:どなたも無料
2日目のみの参加で資料を希望の方は、1 冊1,000 円で配布します。
参加申し込み先
日本庭園学会関西支部事務局
〒 606-8271
京都市左京区北白川瓜生山 2-116
京都芸術大学 日本庭園・歴史遺産研究センター気付
メール:naka@kua.kyoto-art.ac.jp
【申し込みについての諸注意】
・参加者の人数制限はありません。
・申込期限 : 令和6 年11 月8 日(金)12:00 必着
*準備の都合上、事前の参加申込みにご協力をお願いします。リモート参加希望の方は必ず期限までにお申込みを完了させてください。
* Wi-Fi 環境により通信に不具合が生じる場合がございます。予めご了承ください。
・申込みは、ハガキ、メールのみ受付いたします。ファクシミリや電話でのお申込みは受け付けられませんのでご容赦願います。
・申し込みの際には下記の①~⑥の項目を明記のうえ、事務局までお申し込みください。 添付の「令和6年度日本庭園学会 関西大会参加申込み用紙」をご利用いただくと便利です。
①氏名、所属、住所、当日連絡可能な携帯電話番号
②会員・非会員の別。学生の方はその旨も
③参加プログラム(A: 現地検討会、B: 講演会、C: 研究発表会)
④資料希望の有無
⑤リモート参加希望者のみ、「リモート参加希望」 と記し、連絡先メールアドレスを明記。
*リモート参加は講演会と研究発表会のみ。リモート参加の場合は、どちらに参加するかを明記してください
* 11 月15 日( 土) までに、Zoom にログイン用の ID とパスワードを通知します
【参加費についての諸注意】
参加費は当日徴収します。極力、つり銭のないようご協力をお願いします。但し、講演会及び研究発表会へリモート参加する資料希望者は申込事項④に「資料希望」と記し、11 月12 日(火)までに資料代1,000 円をお振込みください。PDF ファイルにて配布いたします。
リモート参加者 資料代振込先(郵便振替 )
加入者名 : 日本庭園学会
口座番号 :0 0 1 4 0 – 3 – 6 5 9 8 4 2
研究発表会 発表の概要
発表時間は15 分間、質疑応答は5 分間です。
発表1:磨崖仏と庭園
大澤伸啓(立正大学非常勤講師)
【概要】磨崖仏と庭園、それって関係あるのだろうか、と疑問を持たれる方も多いであろう。なぜかと言えば、磨崖仏とそれに直接関わる建造物の研究はさかんに行われているが、その周辺環境をなす庭園との考察ついては、ほとんどなされていなかったからである。近年、大分県臼杵市にある臼杵磨崖仏の前面に浄土庭園があったとする考え方が示された。本報告では、それ以外の磨崖仏を包括し、磨崖仏にも庭園があったことを主張したい。
発表2:大原・来迎院 旧善逝院庭園跡の調査(その2)
マレス・エマニュエル・関島諒太・宮原悠介・松嶋択斗・平岡慶(京都産業大学文化学部)
【概要】2022 年より、京都産業大学文化学部マレス・エマニュエル准教授のセミナールに所属する学生は、京都産業大学日本文化研究所 鈴木久男客員研究員と共に、京都の洛北、大原の来迎院に残る旧善逝院庭園跡の調査を行なっている。昨年度は測量と発掘調査の成果を発表した。今回は発掘調査や環境整備の進捗状況を紹介しながら、今後の課題を整理する。
発表3:日本庭園の体感型3D アーカイブの研究について 文化財の保存と両立を目指して
高橋英行(京都芸術大学院コミュニケーションデザイン領域)
【概要】本研究は、日本庭園の保存と活用を両立させることを目的とし、3D アーカイブを活用して保存活動の自立を目指します。庭園の維持は難しく、収入源が限られるため、体感型3Dアート作品を通じて文化財の保存意識を高めることを狙います。特徴は、体感的なアート、リアルな体験との差別化、継続性と展開性の担保です。将来的には他の文化財にも応用したいと考えています。
発表4:横井時冬旧蔵『山水抄』について
菅沼 裕(正会員)
【概要】『作庭記』の異本、『童子口伝書つき山水并野形図』中の「或書」と『山水抄』のうち、『山水抄』については、小沢圭次郎が原稿用紙に書写したものしか知られていなかったが、幸いにも横井時冬が所蔵していた『山水抄』を入手することができたため、小沢圭次郎が書写したものと比較しながら、改めて『山水抄』の性格を分析してみたい。
発表5:大名庭園における潮入りの池の活用方法について浜離宮恩賜庭園の潮入りの池を事例として考察する
菊池正芳(公益財団法人東京都慰霊協会)
【概要】東京都の浜離宮恩賜庭園は、現在も潮入り機能を維持する池泉を有する庭園である。潮入りの池の特徴として、海水の干満差に応じた岸辺の景色の変化を楽しむことが出来るといったことが挙げられるが、海水の取入の為の水門管理、台風や大潮といった自然災害による被害もあるなど、湧水等を利用した池泉に比べ維持管理は困難であると考えられる。そのような潮入りの池を何故営み続けたのか、どのような利用がなされてきたのか。浜離宮恩賜庭園の潮入りの池を事例として考察する。
発表6:尾山遺跡池泉跡移築復元事業について
吉田芙美代・吉川大輔・深川毅一・加藤友規( 植彌加藤造園株式会社)
【概要】令和 2 年 10 月、大阪府三島郡島本町で行われた尾山遺跡の発掘調査にて、鎌倉時代後半頃の池泉跡が検出された。池泉跡は、庭園造営の手法に基づいており、庶民が造営したとは考え難く、今後の発掘調査成果によっては当時の島本町周辺情勢の解明の手掛かりとなることが期待されている。本発表は、この池泉跡を文化財保護の普及啓発に寄与するべく、発見場所である桜井せせらぎ公園内に移築復元した事業について取りまとめたものである。